本計画は新宿区歌舞伎町に複合ビルを計画する架空のプロジェクトである。歌舞伎町の不透明な都市構造に着目し、都市に潜在する空間論理を読み解くことで、建築の形式として再構成した。
歌舞伎町には、住民と来訪者、営業者と管理者との間に輻輳した関係が存在する。また、裏の経済活動を隠蔽するように、都市構造自体が入り組んだ非線形な構成をしている。これらの不透明性や匿名性によって歌舞伎町特有の身体性が醸成されていると考えた。
この不透明性を建築操作として定義し、「立体的なプログラムの再編成」と「内外転倒による空間構成」によって、複数のプログラムが重層する都市型複合ビルのプロトタイプを提案した。
他者が輻輳する都市の力学を建築の形式へと転写し、身体的建築への視座を得ることを目指した。現代の透明で無機的でニュートラルな都市再開発に対する批評と、都市の重層性を志向する新たな原型を示す。









